碧い風にのって… 魚が教えてくれた of Hekifuusya Site

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■〔0006〕答えは魚が教えてくれた…

フライフィッシングに夢中だった !

1981-01.jpg自作のモンタナニンフで釣り上げた ! 1981年9月

投稿日:2012年9月24日

デスクの中からまたまたまた懐かしい写真が出てきた(笑)。かれこれ31年前……1981年9月の某日、祖父の家の前の渓流でのワンシーンだ。当時は中学生で、バレーボールと釣りとクライミングに夢中だったド田舎の美少年だった(笑)。フライフィッシングを楽しみ始めて4シーズン目だったが、情報などほとんどなかった。けれど、実体験で覚えていった。何が正しくて何が間違いなのか判断してくれる人間などいなかった。それもそのはず、当時の北海道ではフライフィッシングを楽しんでいるアングラーはおそらく200〜300人もいなかったと思われる。いつも判断してくれていたのはイワナやヤマベやニジマスといったかわいい渓魚たちだった。それはいまでも変わることはない。


1981-02.jpg突然食いがたつアカハラの生態はいまもよくわからない。イワナの方が簡単に釣れる気まぐれなアカハラに翻弄された !
春5月になると海から大挙してアカハラが産卵のために遡上してくる。小さくても30センチを超え、大物になると50センチを超える好敵手だ。大人から子供まで夢中になって狙う。なにしろそのアカハラのパワーというのが半端なものではなく、想像以上のものなのだ。そしてさらにアカハラの気まぐれ度というのも憎たらしくも夢中になってしまう要因のひとつだ。とにかく口を使わない。産卵のために遡上してくるのだから口を使わなくなるのは理解できる(おなかの中は卵や精子でパンパン。胃袋を膨らませる余裕などない)。が、ままならないものをままなるようにしたいのは釣り人の性のひとつだ。いろいろと試し失敗を繰り返していくうちに観えてくるものがある。そして魚が身をもって答えを教えてくれる。しっかりとスピナーをくわえた !


1981-03.jpgダブルホールでロングキャストを試みるが、これが失敗の要因だったのだ ! 桟橋が揺れて鯉が逃げてしまう といえど、彼らは神経質だ !
田舎の人工の山上湖には鯉の大物が悠々と泳いでいた。水面に口を出してぱくぱくしている。なんとしてでもしとめたい。それもフライで。ミミズではさんざん釣った。ルアーでもスピナーや小さなスプーンだと思っている以上に釣れる。それではつまらない。やっぱりフライで釣り上げてみたい。狙い始めはまったく相手にしてもらえなかった。悔しい。とにかく悔しい。釣れない理由を考えた。いっぱいいろいろと考えた。トンボを食べていたのは観た。けれどまったくわからない。何度目かの挑戦で答えがわかった。教えてくれたのはまた魚だった。鯉がきっちりとフライをくわえた。それも何尾も、行くたびに。


1981-04.jpg30年前のカットだけれど、背後の大橋がまだ新しく見えるこーんなのが泳いでいた(ちょっと大袈裟ですね/笑)
かなやま湖にイトウを狙いに行った時のワンシーンだ。この時、真夏にも関わらず大型のアメマスがウグイっ子を追いかけ回し、1mを超える巨大なイトウも水面直下を悠々と泳いでいた。ボイルの先へクルセイダーをキャストすると突然ひったくっていったアメマスは51センチもあった。だけどイトウには無視された。またまた答えは魚が教えてくれたわけだ。イトウは完全完璧に見切っていた。足ががくがく震えた。こんなに大きな魚を目の前にするのは草魚以外では初めてだった。前の年にはこの橋の下でトンボを餌に98センチのイトウが釣り上げられていた。この時、勇気をもってトンボを意識したフライで狙っていたなら……いや、でも、いや、きっと、多分…いや、ない、それはない。釣れるわけはない。

あれから30年、いまも答えは魚たちが教えてくれている……。



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